芭蕉の弟子たち

蕉門の句にも心惹かれるものが沢山あります。現代の俳句にはない味わいが、かえって新鮮に感じられたりします。昔の囲碁の棋譜と通じるものがあるかもしれません。それにしても「猪の首の強さよ…」は凄い句ですね。


            嵐雪

竹の子や児のはぐきのうつくしき

蒲団着て寝たる姿や東山

梅一輪一輪ほどの暖かさ

            其角

うつくしき顔かく雉子の距かな

声かれて猿の歯白し岑の月

かたつぶり酒の肴に這せけり

十五から酒を呑出てけふの月

            去来

鴨啼や弓矢を捨て十余年

盲より唖のかはゆき月見哉

月見せん伏見の城の捨郭

岩はなやこゝにもひとり月の客

のりながら馬草はませて月見哉

            凡兆

時雨るゝや黒木つむ屋の窓あかり

炭竃に手負の猪の倒れけり

ながながと川一筋や雪の原

あさ露や鬱金畠の秋の風

猪の首の強さよ年の暮

捨舟のうちそとこほる入江かな

0コメント

  • 1000 / 1000

ちょっと一服

身辺雑感、気に入った写真や詩歌、その他、気の向くままに並べてあります。どうぞ気軽にお立ち寄りください。