俳句も少し

好きな俳句も少し掲載しました。あくまで「好きな句」です。

世に名句はたくさんあるのでしょうが、不勉強につき、あまり詳しくありません。

芭蕉の弟子の句にも好きなものがたくさんありますが、それはいずれまた。


            飯田蛇笏

父祖の地に闇のしづまる大晦日

古き世の火の色うごく野焼かな


            飯田龍太

かたつむり甲斐も信濃も雨の中


            成瀬櫻桃子

かたつむりたましひ星にもらひけり


            宇多喜代子

戦争も好きと一声かたつむり


            高浜虚子

富める家の光る瓦や柿若葉

爛々と昼の星見え菌生え

虚子一人銀河と共に西へ行く


            久保田万太郎

湯豆腐やいのちのはてのうすあかり

鮟鱇もわが身の業も煮ゆるかな

春の夜のすこしもつれし話かな


            吉岡 実

春雨や人の言葉に嘘多き


            永田耕衣

人ごみに蝶の生まるる彼岸かな

皆行方不明の春に我は在り

恋猫の恋する猫で押し通す

母の死や枝の先まで梅の花


            奥坂まや

メロンパン体内少し朧なり

タンポポの絮吹いてをる車掌かな


            有馬朗人

唐紙を開けば月の真葛原

玲瓏の水を飲みけり冬の蛇


            桂 信子

どことなく痛みはじめし春の家

雪たのしわれにたてがみあればなお

たてよこに富士伸びてゐる夏野かな

傘さしてまつすぐ通るきのこ山


            三橋鷹女

白露や死んでゆく日も帯締めて


            夏目漱石

有る程の菊抛げ入れよ棺の中


            正岡子規

春風やまりを投げたき草の原

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ちょっと一服

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